信州を代表する木といえば、このカラマツですね。
このカラマツ、戦後に大量植林が行われたんですが、収穫期がやってきた今、世の中の需要の見込みが見事に外れてしまったため、使われることのないまま、また森の手入れも行き届かぬまま、憂き目を見てしまっている哀愁の木なのです。
かつては反ったり割れたりしやすく、扱いづらい木とされてきたこのカラマツ。
乾燥技術の向上によって、材として十分利用できるようになったんですが、かつての印象から、カラマツの利用はなかなか進んでいないのが現状なんです。
そんな先日、ママルのショップに「木こり」の男性がいらっしゃいました。
木こり、つまり林業家です。文句なくカッコいいですね。
自宅を新築するために木のキッチンを探していた彼。
ショールームに展示してあったカラマツのキッチンを見つけるやいなや、
「カラマツでキッチンが作れるなら、ぜひそうしたい!」と。
なんでも仕事柄、日々伐採したり手入れをしたりと、最も親しんでいる木がカラマツなんだとか。
そして、日々カラマツに取り組んでいる方は例外なく「熱い!」のですよ。
彼もそんなひとり。
カラマツの魅力を世の中に伝えたい!と、ひとしきりσ(^^)とカラマツ談義に花が咲きました。
カラマツは最初に書いたような背景がありますから、長野県でもカラマツの利用促進や活動には補助金が得られたりします。
ただそのせいか、カラマツを使った製品には、そんな背景を説明する大義名分が先行しがちだったり、別の材で作っていたものをカラマツに置き換えただけ?と思えるような製品もよくある気がしています。
しかし、本当にまず伝えていくべきは、カラマツの「他の材とは違った魅力」なはず。
それは、針葉樹としては丈夫で堅いので、永く使うと素晴らしいツヤが出ること。そして、年を経るごとに日に焼けて、赤みを帯びた飴色になっていくことでしょうか。(スギやマツ、ヒノキではこうはいかないのです)
また、広葉樹ほど重くないので、厚い材でたっぷりと使えるというのもよいですね。
水にも強いですから、キッチンの天板にも十分使えます。
これは、実際にお料理イベントで何度も使ったショールームのキッチンでも証明済み。
このカラマツのキッチン、まだ出来てから1年ですが、いい感じに色づいてきています。飴色にはまだ数年かかるかな…。
なかなか新品ではこのツヤや飴色をお見せできないので、たくさんの方に実際に使っていただいて、体験していただくしかないのです。
木こりの男性も大きくうなづいていらっしゃいました。
針葉樹らしい素朴な木目と肌触りに加えて、丈夫さと年月を経ることによる独特の美しさ。
他の材では出せない、カラマツならではのキッチンや家具を作っていこうと思っています!
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