先日、静岡県のとある町に木のオーダーキッチンをお届けしてきました。
マンションのリノベーションをお考えだったFさん夫妻。
本当は松本のショールームに、木のキッチンをご覧になるためにお越しになる予定でしたが、ちょうど県境をまたぐのを自粛しなければならない時期と重なってしまいました。
そこで、今や恒例となったオンラインビデオ通話で、お店の中の木のキッチンをご案内することに。
その後もZOOMで店内や図面をご覧いただきながらお打ち合わせを重ね、ついに木のオーダーキッチンが完成しました。
と言っても、ここまでお客様とは一度もリアルにはお会いしていません。
ただ、画面越しとは言え、お顔を合わせながらたくさんのお話をさせていただいてきましたから、ある程度は出来上がるキッチンの様子を想像いただけていたのではないかと思います。
そして待ちに待った、県外移動が許されてきた頃、晴れて静岡県へ木のキッチンのお届けに伺いました。。
さて、よく「キッチンの設置って、何日ぐらいかかるの?」とか、
「大きいキッチンをどうやって入れるの?」というご質問をいただきます。
ほとんどの場合、キッチンの組み立て設置は1日です。
大きいキッチンでもコンパクトなキッチンでもおおよそ同じです。
そして当然ですが、大きなキッチンをそのまま持って来るわけではなく、いくつかの部品に分割した状態で運び込み、お家の中で組み立てます。
一度工房で仮組みされたキッチンを、一度分解して運び、それをお家の中で再び組み立てるというわけですね。ですから、入り口が小さくても大丈夫なんですよ。
さて、この組み立ての様子、お客さまでも普段目にすることは少ないですよね。
そこで今回は、この組み立て設置の一場面を動画でご覧いただきたいと思います。
今回のキッチンは奥の壁側にガスコンロと吊り戸棚。その向かいにコンパクトなアイランドキッチンを組み合わせた、2列型のキッチンです。
奥のキッチン本体は設置が終わって、手前のアイランドキッチンの組み立てに入ったところですね。
大きなパネルを何度も立てて、外して、としていますが、これは設置するお部屋の状況に合わせて、現地で微調整を行なっているところです。
パッと見たところ真っ平らに見える床も、実際には微妙な凹凸があったりしますので、それに合わせてキッチンの方を削ったり微調整しながら、しっかりと据え付けていくんです。
アイランドキッチンを組み立てるのと同時進行で、奥のキッチンにもガスコンロや引き出しを取り付け、吊り戸棚に扉を取り付け、だんだんに完成形に近づいていきます。
アイランドキッチンのキャビネットを組み立てた後、いよいよ木のワークトップを載せていきます。ワークトップにはすでにシンクが取り付けられています。
ここでもワークトップを載せては外して、を繰り返していますね。
このように、現場の状況に合わせて、職人さんがあちこちを削ったりしながら、そのお家にしっくりと納まるように微調整をして組み立てていきます。
最後に水栓や食洗機などを取り付けて完成です!
ご参考までに、完成したキッチンのスナップをちょっとだけご紹介。
お引越しの翌日で、まだお片付けの途中にお伺いしてしまってすみません!
(なので、お片付け後の写真を撮らせていただけるまでの限定公開です)
アイランドキッチンはなんと、幅180cmととてもコンパクト。
その代わり奥行きは105cmあるので、カウンターとして軽い食事やお茶などをするのに十分なスペースがあります。
側面には元々お持ちだった食器棚と冷蔵庫(これは、リノベーション前の配置をそのまま活かしました)がありますから、キッチンがコンパクトでも収納に不足はありません。
置き場所に悩むオーブンや炊飯器などの家電類も元々あった棚に収まっていますから、キッチン側はゆとりを持ってお料理をすることができるんです。
壁側はアイランドより少し広めの235cm。アイランド側だけでなく、こちらにも広々とした作業スペースができました。
そして壁には『普通の姿勢で』目も手も届く、アイレベルの吊り戸棚。この『普通の姿勢で」が毎日の普段使いにはとても大切なんです。それに対して、届かない、見えない、という場所は基本的には無理に使わず空けておく、というのがママルのキッチンづくりのスタンスです。
アイランド側と、壁側、作業スペースは2ヶ所あります。
こんな風にキッチンの中に作業スペースを2ヶ所以上作ることで、1人で立つ時にはもちろん、2人以上で一緒にキッチンに立つ時にも、誰もがスムーズに動きやすいキッチンになっていきます。
キッチンをプランされる際のおすすめポイントです!
決してすごく大きくはないけれど、みんなで一緒に立てるアイランド。
家族が自然と集まる、家の中心になるキッチンになりました。
思いがけず、お客さまと直接お会いすることができないまま進んだキッチンづくりでしたが、リアルにお会いできないからこそ、
どうやったら出来上がるキッチンをイメージしていただけるだろう?
どうしたら直接見て触れて確かめられない心配を無くしていただけるだろう?
そんなことを一瞬一瞬、考えながらのキッチンづくりでした。
組み立て設置の日、おそらく初めてご覧いただいた本物の木のキッチンに、ワクワクして喜んでくださったFさんたちの笑顔が、今でも私たちの宝物です!
これからも、「立つだけで元気の出るキッチン」を作るためなら、長野県からどこまでも行きますよ〜!