ママルの木製オーダーキッチンは、サクラやカエデ、クリ、ナラ、クルミなど、いわゆる広葉樹材でつくることが多いんですが、時にはスギやマツ、あるいは信州を代表するカラマツやヒノキなどの針葉樹を使うこともよくあります。
スギの間伐材で製作したオーダーキッチンをご紹介しましょう。
間伐材ですので、節は多めですが、それがまたとっても素朴な味わい。
こちらの奥様はパン作りが大好き。そこで、L型のメインキッチンに囲まれた部屋の真ん中に、木の天板のアイランド作業台を設けました。
スギは広葉樹に比べると表面が軟らかいため、ハードに使われることの多いワークトップにはちょっと不向き。
そこで、このアイランドの天板のみ、カエデの木を使うことにしました。
全く違和感ないです♪
カエデは堅くて丈夫、白くて清潔感もあり、また木独特の匂いも少ないため、欧米ではチーズやパンなどの食品を切るカッティングボードに使われます。ですから、パンの生地作りなどには最適。こね台いらずです。
右側の引出しには食器、左側のスペースには、愛用のパンの発酵器がぴったりと収まります。このあたりがオーダーキッチンならでは、です♪
アイランドの裏側には小物家電やパン作りの道具が納まるよう、小棚に。
一方、メインのL型キッチンはいたってシンプルに。
コンロ側とシンク側で、ワークトップの高さを5センチ変えているのがわかるでしょうか。実はこの5センチがとっても大切なんです。
一般的にシンクは高め、調理器は低めに、というのが、人のからだにフィットする高さ。とりわけ、ガスコンロのように、ゴトクによって天板の高さと実際にお鍋を置く面の高さが5センチ近くも違う場合などは、重大です。
皆さんも、キッチンの高さを決められる際には、よーく、ご自分のからだで試してみることをおすすめします!
さて、L型キッチンのコーナー部分はデッドスペースになりがち。回転する収納バスケットや、ななめに引き出せるワゴン収納など、いろいろなアイディアが考えられてきましたが、ここではあえて凝った収納にはせず、シンプルな棚にしてみました。
実はこの方法が最もスペースを無駄にせずに使えるようです。
コーナー収納は、どのみち他の収納に比べ、いまひとつアクセスしづらいもの。ならば、無理に複雑で高価な収納金物を使うのではなく、あえてシンプルな棚にしておいて、季節用品など、使用頻度の低いものを収める、といった割り切った使い方をするのもひとつの手ではないでしょうか。
このように、スギの間伐材と言っても、広葉樹材と変わらず、細かく作りこむことは十分可能です。食洗機も楚々として納まっています。
引出しの下の棚板もスライドして引き出すことが出来ますので、棚の手前と奥も、しっかり使い分けることが出来ます。
まさに間伐材と侮ることなかれ、ですね。
自然な風合いと軟らかい肌触りは、広葉樹とはまた違った温かさを与えてくれます。
これがまた何年も使い込まれていくと、何ともいえない落ち着いた風情を醸し出して、素敵なんですよ。
家と一緒に美しく年をとっていくのが、自然素材・ほんもの素材のよさではないでしょうか。
やっぱり楽しい♪ 木のオーダーキッチンです!
【所在地】長野県喬木村
【家族構成】夫婦+子ども
【レイアウト】L型+アイランド作業台