信州伊那谷、雄大な桜で知られる高遠城址。そのお膝元ののどかな農村にKさんご一家のお家はあります。
家族みんなでキッチンに立ちたいとアイランドキッチンが憧れだったという奥さま。
普通アイランドキッチンは周りを回遊できるよう比較的広い面積が必要なんですが、時には間取り上難しいこともあります。
そこで、キッチンの脇を通り抜けた奥にパントリーを設け、まずはそちらに大きな収納を確保。キッチン本体はコンパクトにして、収納は普段使いの調理器具や食品など必要最小限のものだけに。
幅1900とコンパクトなアイランドキャビネットにはシンクのみ。コンロは背面の壁側に。
コンロ側にも調理スペースがありますからシンク側と合わせると2ヶ所のワークスペースができあがります。
すると、一人で調理する際はもちろん2人3人と一緒に立つ場合にもそれぞれが邪魔になることなく、同時に作業をすることができるんです。
アイランド型なのでみんなが自由に周りを通り抜けられますから、とっても開放感があって気持ちがいいんですね。
シンク下はオープンになっているので、ゴミ箱などあまり見せたくないものの居場所もあります。開放的なキッチンこそ、こういった「隠しどころ」をきちんと用意しておいてあげることが大切ですね。
また、小さなキッチンこそ食洗機は大切です。毎食分の食器はもちろん、お鍋やフライパンなどもたっぷり飲み込んでくれる海外メーカー製の食洗機がオススメです。
コンパクトなキッチンほど洗いものが姿を現さないようにしてあげたいですよね。
食洗機があっても水切りかごは必要ですが、どこに置くかが悩みの種。シンクの横にかご用のスペースをとると、どうしてもその分作業スペースが狭くなってしまいます。
でも出来ればシンクは広いほうがいい…
そこで、シンクをあえて広めに作り、シンクの中に専用の水切りかごを置けるようにデザインしてみました。 (シンク左側の中ほどに水切りかごを置くレールを取り付けてあります)
水もそのままシンクの中に流れますから水仕舞いも良くて、かごを外せばシンクを広々と使うこともできます。(このシンクの幅は850mmです)
こちらのオリジナルシンク、キッチン全体に合わせて大きさや仕様も自由に変えられますのでとても好評です♪
背面の壁側キッチンは幅1800mm。
幅750mmのワイドタイプのIHクッカーを選びましたが、それでも作業スペースは1000mmもあります。
シンク側が調理中でふさがっていても、出来上がったお料理を盛り付けするのも余裕です♪
作業スペースが2ヶ所あるというのは想像以上に使い勝手が変わりますよ~。
作業スペースのすぐ下は食器用の引き出し。
カトラリーやお皿などの食器を納めるのにはできるだけ薄めの引き出しにするのがポイントです。
引き出しは上から全体を見渡せるので便利ですが、中途半端に深さがあると違った種類の食器を重ねてしまいがち。これが使いやすく収納しづらい原因になります。
引き出しはなるべく薄いものを選び、違い種類の食器はなるべく重ねないこと。引き出しに食器をしまう際に守っていただきたいルールです。
キャビネットの中央には調味料など背の高いボトル類を収めるのに適した引き出し収納。
IHクッカーの下は何がしまってあるかが一目瞭然のオープン棚ですが、それぞれ手前に引き出すことができますから奥まで無駄なく使うことができるんです。
コンパクトながら使いやすくするためのアイディアが満載のキッチン。
実際に誰と誰が立って、どんな風に作業をしているのか、どんな表情で、どんな会話をしながら料理していたいのか…
そんな風に想像しながら、キッチンって作りたいですね♪
賑やかにおしゃべりしながらみんなでキッチンに立っているKさん一家の声が聴こえてきそうです!
施工地:長野県伊那市
材種:ヤマザクラ
サイズ:
W1900 x D900 x H850(シンク側)
建築設計・施工:有限会社 橋詰建設(長野県下諏訪町)